NFCについてまとめてみた
Interface4月号にNFCについての特集が載せてあったので読んでみた。
そして、自分なりに解釈しまとめてみた。
誤解を恐れずに書くので、間違いがあるかもしれません。怪しいと思うところはいろんなソースをみて的確な情報収集を…
NFCとは
Near Field Communicationの略称。近接無線通信。
日本ではSONYのFelicaやJRのSuicaなどがあります。
10cmとかの距離を電波で通信します。タイプによっては、数十mの距離を通信するものもあります。
NFCは欧州で広く普及している規格ISO/IEC14443TypeAと日本国内で普及しているFelicaを共通で使えるようにするための
無線通信の国際通信規格です。NFCは複数の規格を含んでいる。
NFCフォーラムとは?
NFC技術の実装と標準化の促進を目的に、2004年3月にソニー、フィリップス(現NXPセミコンダクターズ)、ノキアの3社により設立される。
これは、日本ではFelica、欧州ではOyster(TypeA)など規格がバラバラなので、その国固有のICカードしか使えない。
それではダメだ。世界で共通で使える近距離無線通信用のICカードの規格を作りましょうよ的な感じで作られる。
NFCフォーラムの経緯
(NFCフォーラム設立前)
2000年 ISO/IEC14443TypeA、Bなどの非接触の近距離無線規格として13.56MHzの周波数で動作するカードとリーダ/ライタ
の標準規格できる。TaspoなどのTypeA、運転免許などのTypeBできあがる。
※通信部分だけ切り出して企画にすれば、携帯に入れるなどもっと面白い応用ができるのではないか?ISO/IEC14443はRF回路、
アナログ回路、プロトコル、アプリケーションのファイルアクセスなどの全体を包括する使用になっている。
2003年 ISO/IEC18092(NFCIP-1)できる。TypeAとFelicaを共通で使えるようにした規格。
2004年 NFCフォーラム設立
2005年 ISO/IEC21481(NFCIP-2)TypeBとRFIDが追加される。
2010年 第1世代の規格決まる。NFCフォーラムで実装仕様が策定される。
2011年 NFCチップが多数登場
NFCフォーラムによってSuica,Edy,Oyster(TypeA)などの既存のカードと互換性のある規格が出来上がる。
NFCは今後、スマホ→パソコン→TVへ流れていく。
※ハンドオーバー技術の標準化の検討も進めている、ハンドオーバー技術とは、お店に用意されたタグなどを読み込めば、
設定なしにすぐにWi-Fiが使えるようになったりする技術です。NFCタグを解して無線などの設定を自動でやってくれる。
かざすだけで使えるようになる。
NFCを使ったアプリケーションで印象に残ったのは、医師にNFC携帯を持たせ、子供の手首にタグをつけておき、医師が子供のタグ
を読み取ると過去の病歴がクラウドを通してNFC端末に表示されるっていうやつです。
RFID
RFID(Radio Frequency Identifer)は非接触ICカードと技術や使われ方が近い。
RFIDと非接触ICの違いは目的にあります。
RFID → 「物」の管理
非接触IC → 「人」の管理
RFIDの規格
RFIDは電力伝送方式に「電磁誘導方式」「電波方式」の2種類に分かれる。
電磁誘導方式の特徴:
13.56MHz~135KHz未満
通信距離が数十cmと短い(磁界を使うので減衰が急進)
アンテナが小型で安価
電波方式の特徴:
433MHz、952MHz、2.45GHz
通信距離が長い
アンテナが大きく装置も高価
RFIDとして普及しているのは、13.56MHz帯と952MHzUHF帯パッシブ
13.56MHz帯特徴:
通信距離: 20~30cm
複数タグ読み出し: 数~数十枚
タグの値段: 50円以上
リーダ/ライタの大きさ: 数cm
リーダ/ライタの値段: 数千~数万
953MHz帯特徴:
数進距離: 5m
複数タグ読み出し: 100~300枚
タグの値段: 10円
リーダ/ライタの大きさ: 数十cm
リーダ/ライタの値段: 20万円以上
※上記より携帯電話用機器では、13.56MHz帯、UHF帯は外付けが多い
RFIDタグは必要な通信距離と大きさで選ぶ。距離と大きさは比例する
動作温度はー20~85度(ICチップの動作保障温度)
タグはパッシブ(電池なし)は「電波法適用外」
13.56MHz帯は周波数だけでなくスプリアスの規定(設計上意図しない周波数成分)が似ているので、国内、海外問題なく使える
13.56MHz、135KHzに限られる
UHF帯は国ごとに電波法が異なっている。国内でも同じ周波数帯に対して(952MHz)3つの電波法がある。
UHF帯周波数の再編
RFIDとMCA無線(タクシー無線)は現行の周波数から920MHz帯へ移行する
920MHz帯のRFIDの使用開始は2012年7月25日から2018年3月3日までに移行完了
移行の際の利点としては、周波数大域が広がる(5~13MHz)
米国などは920MHz対を使用しているので、国際間の共用性なども利点、
RFIDのコード体系
RFIDタグにはID(識別子)とユーザデータを記録できる2つの領域がある
IDの種類としては、
UID(固体識別子): あらかじめ付与されるユニーク番号。書き換えが不可能
EPC: ISO/IEC18000-6TypeC準拠(UHF帯タグが対象)。書き換え可能
セキュリティに関して
<< NFC >>
・個人のプライバシー情報を守る
・課金情報に不正アクセスさせない
<< RFID >>
・貼り付けたものの真贋判定
・模造品対策
NFCの基本動作
非接触ICカードとは、リーダ/ライタの外部端末から送信される微弱電波を使って電力を生成し、同時に通信を行うICを指す。
1.リーダ/ライタから微弱電波発生
2.カードのアンテナを介し、電磁誘導により電力を取得する
3.取得電力が規定値を上回った時点でカード内ICを起動
4.リーダ/ライタは電波に変調をかけ、リクエストデータ送信
5.カードはリクエストを処理し、IC内の負荷を切り替えることによってレスポンスを返信する
6.リーダ/ライタは負荷変動をリーダの負荷変動として検出し、レスポンス受信
符号化方式
符号化方式とは、Aという電波がやってきたら1、Bという電波がやってきたら0.
などのように電波の変化によってビットを区別するために使用します。
たぶんですが、イメージとしては無線通信_IEEE802.11の一次変調のような感じだと思っています。
誤り訂正符号とは違います。
符号化方式には「NRZ」「ModifiedMiler」「Manchester」の3つの方式があります。
NRZ
NRZとは、0と1のデータを信号波形の高低に対応させるポピュラな方式です。
ModifiedMiler
ビット区間内で電圧の変化がなければ0、電圧の変化があれば1を表す。
Manchester
ビット区間の中央で電圧レベルが「L→H」に変わるなら0、電圧レベルが「H→L」に変化するなら1を表す。
※Mancyester方式は1ビット毎にかならずレベルの変化があるため信号の周期を取りやすく、ノイズを除去をしやすい
変調方式
リーダ/ライタ → カード = ASK
カード → リーダ/カード = Felica : ASK
TypeA : OOK (サブキャリアの有無)
TypeB : BPSK (サブキャリア位相変調)
アンチ・コリジョン(衝突防止)方式
非接触ICは、リーダ/ライタの動作磁界内に複数舞のカードが入ってくるケースが想定される。
※無線や普段聞きなれているコリジョンとは意味合いが違う。
※無線:衝突回避
※NFC:衝突防止
コリジョン方式
TypeA ・・・ビット・コリジョン
TypeB・・・スロットマーカ
Felica・・・タイム・スロット
ビットコリジョン方式 TypeA 欧米
カードが保有する固有識別番号(UID)を返信する。複数のカードが同じビットを送ると識別できるが、
異なるビットを送ると混信してわからない。その衝突のところから「0」で始まるビットを持つカードに返信してもらい、
次は「1」を持つカードに返信してもらうといった動作を行う。
スロットマーカ方式 TypeB 免許証
リーダ/ライタからのリクエストに対してカードは乱数を生成し、スロットマーカー番号として保持。
リーダ/ライタから指定されたスロット・マ-カ番号を持つカードは返信する。衝突した場合は別の乱数を発生させやりなおす。
スロットマーカーと同じようにリーダ/ライタが乱数を送信する。
カードはそれをタイムスロットとして保持する。1つタイムスロット分待機したらカードは答える。
衝突したらリトライ
通信シーケンス
1.リーダ/ライタとカードとの通信路を設定する(初期応答)と、アプリケーションに応じた情報の受信を行う「活性情報」
とで構成される
初期応答
1カード、ICチップに電源が供給されるとカードはライタからの通信時の設定要求(リクエストコマンド)を待機する状態になる。
2.リーダからリクエストコマンドが送信され、カードは応答する。これにより、リーダライタの通信エリアに存在するカードが認識される.
3.認識したカードとパラメータを交換し、通信速度などの条件を相互交換する
活性状態
1.「初期応答」で認識したカードを選択し、リーダライタからのコマンドに対するカードのレスポンスを繰り返す。
2つの通信モード
NFCIP-1では、能動通信モードと、受動通信モードと呼ぶ2つの通信モードが規定される。
能動通信モード・・・リクエスト・レスポンスの双方を、電波を発生させる事により行う。
受動通信モード・・・リクエストの送信は電波を発生させるが、応答では電波を発生させず、電波の負荷を変動させる
NFCIP-1では、データレートごとに通信方式を採用する。
Transport Protocol NFCIP-1の通信プロトコル
NFCIP-1では、コマンドを送信する側をイニシエータ。受信し、返信する側をターゲットと呼ぶ
流れ
初期RFCA(RFCollisionAvoidance)
イニシエータデバイスが、ほかに電波を発生させているデバイスがいないことを確認
↓
初期化およびSDD(SingleDeviceDetection)
により、イニシエータデバイスは、アンチコリジョン機能を用いて対向デバイスを検知する
↓
「属性要求あり?」分岐
データ交換プロトコルに向かうか独自プロトコルに向かうか決定される。
↓
ATR_REQコマンド送信(イニシエータ→ターゲット)
↓
ATR_RES返信(ターゲット→イニシエータ)
デバイスの属性情報を返信する。(受信可能データサイズ、ビットレート)
↓
パラメータの変更があれば、PSL_REQで任意送信
↓
DEP_REQ(DataExchangeProtocol)コマンドを用いて双方向データの送受信を行う
↓
DSL_REQ,RLS_REQでトランザクション終了
1.リーダ/ライタモード
2.P2Pモード
3.カードエミュレーションモード(オプション)
4種類のNFCForumTag(NFCタグ)に対するアクセス機能をサポート
※TypeAやB,Felicaなど意識しなくても使える。全部含まれるから。
Type1Tag→Taspo,Jewel
Type2 Tag→MIFARE,Ultralight
Type3 Tag→Felica
Type4 Tag→MIFARE DESFire
NFCIP-1ではイニシエータは(106/212/424kpbs)のうち1つのビットレートをサポート。ターゲットは全部
仕様書
無線インターフェース(TypeA,B,Felica)に担当する使用をテクノロジと呼ぶ。
3種類ある。NFC-A,NFC-B,NFC-F
通信モードには、コマンド送信できるPollモード、受信できるListenモードがある。
モードは対向デバイスに合わせて、どちらで動作するかが決定される。
Poll→Listen→Poll…と交互に繰り返す